お昼休みになり、構内の食堂でお弁当を食べる。
今日は久しぶりに学食だ。この大学の人気メニューの1つ、380円のカレーライス。
この味付けは実に見事。レストランとかで出るような、いかにも高級らしいカレー、そんな味がするのだ。
一回だけなら、ライスのおかわりもしてくれる。いやはや、うれしいことだ。
友達と楽しく話しながら、昼を食べていると、・・・
「ピピピピッ・・・・」
携帯がなりながら震える。授業中とかでない限り、僕は音とバイブを一緒に出すように設定している。
テーブルに置いておいたので、テーブルもカタカタと音と立てる。
「もしもし・・あ、里江?」
「やっほ、さっきは・・・」
その途端・・・
「おい、三原、彼女か?りえって・・・」
おいおいと友達が片肘でついてくる。
「お前女いたのか?いいなあ、俺にも紹介しろよぉー」
「な・・なんだよ、僕だって・・一人や二人いるに決まってんだろ・・・」
妙にあせる僕、、、何でだろう・・・。
「りえ」の話で友達の二人が勝手に盛り上がっているのを横目に、僕はテーブルから立ち、廊下で話し直すことに。
「ゴメン、さっきは・・・」
「さっきの・・なに?」
「なぜか友達だよ。横で聞き耳立てて聞いててさ・・・」
「あ、そうなんだ。三原、彼女か?って声が聞こえたから、もしかして、この会話、聞かれてる?と思ってた。」
「あはは。ゴメンね、もう回りには誰もいないから
・・・
じっとあたりを見回す。さっきの友達が隅で聞いているかもしれなくって・・・。
しかし回りには誰もいなかった。携帯を再び耳に当て、
・・・ウン、誰もいない。」
「あははっ、いま誰かきいていないか見てたの?」
「うん。もう安心して。」
「はーい。」
「いま、里江さ、なにやっていたの?」
「あたし?あたしは・・いまゴハン食べ終わって、お休みしているところ。」
「何食べたの?」
「さあなんでしょう?」
「それじゃ答えになっていませんっ」
「当ててねっ、ウフフ。」
スピーカーの奥から、里江のくすくすとした笑い声がする。
「家からお弁当だ!きっと!」
「ブー」
「はい?」
「聞いて、笑っちゃうよ!じつはね、カツ丼だったの!!」
「ひ・・昼からパワフルですね・・・」
「まさかって思ってた?」
「正直」
「ご飯は最近学食にしているんだけれど、ちょうど食べたかったものがあいにくなくなっちゃって・・・。」
「でもさ、学食っていっても、随分と量は用意するでしょ?普通」
「それがね、あたし、食べるの遅かったんだ・・・」
「授業が遅かったの?」
「トンデモ。色々とわけありでね。。。」
「じゃ、遅くなっちゃって、学食がなくなってた・・・」
「うん。学食のおばさんに聞いたら、ほとんど売り切れちゃってね、あまってたのが・・・」
「カツ丼、・・・」
「うん、ご飯が想像以上に多くて、いま苦しい・・・。三原君は何食べたの?それともまだ?」
「カレー食べた。380円の。」
「学食?コンビニ?」
「学食さ」
「えーいいなあ、安いね」
「美味しいよ、ここのカレー。今度おいでよ、それでごちそうしてね」
「えーなんでよー、お誘いなのに、私に払えっていうの?失礼しちゃう!」
「あ、ゴメン」
「遅いわよっ! ・・アハハハッ。」
「ごちそうするよ、それじゃあ」
「ホント、うれしい」
「ここのカレーって、ホントに美味しいんだ、好きなんだよこの味!」
「そんなに?」
「ウン。マジだよ」
「じゃ今度いこうかなぁ、違う学生ですけれど。。」
「うん。おいで!! あ、ところでさ、・・・午後も授業なの?」
「そうよ。でもあと1限受けたらとりあえず今日は終わり、かな。そのあとはルィクタールに行って、アルバイトよ。」
「そう、じゃ帰りに寄ろうかな。」
「うん、来てねっ」
・・・このような会話をし、午後の授業を受ける。
やがて、授業が終わると、数時間の剣道の練習を友達の長田とし、4時に帰ることになった。
帰りの電車内で、僕はしばらく眠ってしまった。
まさか・・また?? と意識が戻ったのは降りる2駅前。ほっ。
今日はどうやら成田まで行ってしまうことはなかったようだ・・・。